現在新築戸建住宅に限るとオール電化は60%弱もの割合になっています。
近年は電気料金が高騰していて、これから新築を考えている方はオール電化の導入に躊躇される方も多いと思います。しかし2016年から始まる電力自由化によって多彩な電気料金メニューが出てくることで、生活スタイルに合わせた無駄のない電気の使い方が出来るようになるのでますますオール電化の需要は伸びてくると思われます。


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<オール電化とは?>
住宅で使用する機器を全て電気でまかなうことをいいます。
主に熱源となる調理・給湯・暖房器具が全て電気を使用するものが「オール電化」と呼ばれています。
調理器具にはIHクッキングヒーター、給湯には電気温水器やエコキュート、暖房器具にはエアコンや電気式床暖房などがあります。

<オール電化のメリット>
・光熱費の削減
ガスや灯油を使わずに電気だけを使うので、総合的にみて光熱費を削減することができます。また深夜電力を使用する料金プランを選べるようになるので、電気をよく使用する時間帯を割安になる時間帯と合わせることで電気代を節約することができるようになります。

電力自由化に伴って、ご家庭の電気の使い方を把握して電力の購入先を選ぶことで、更に光熱費を削減することが出来ます。
各新電力のサイトには料金シュミレーターが設置されているので、参考にしてください。




・火災や一酸化炭素中毒のリスクが減少
ガスや灯油を室内で使わないので、一酸化炭素中毒や二酸化炭素濃度が高くなることも無くなり、室内の空気も汚しません。最近の高気密・高断熱住宅に適しています。
火を使わないので、火災のリスクが減少します。しかし、安全装置が付いてはいますが油を使った調理には注意が必要です。

・お手入れが簡単
IHクッキングヒーターは油が火にふれてススなどが出ないため、ガスコンロなどに比べて汚れにくく掃除も簡単になっています。

・非常時に水を使用できる
電気温水器やエコキュートには貯水タンクがあります。災害などの非常時にライフラインが遮断されても、タンク内の水を非常用水として使用できます。

・災害時の復旧が早い
電気・ガス・水道の中でも災害時に一番復旧が早いのが電気だといわれています。



<オール電化のデメリット>
・昼間の時間帯は電気料金が割高になる
深夜の電気料金を安くする代わりに、昼間の電気料金は高くなります。昼間に電気給湯機のお湯を沸き増ししたり、エアコンなどを日中使用すると電気代が高くなります。

・最初の初期投資が高額になる
IHや温水器・エコキュートは製品自体が高額な上、専用の配線や容量に合わせた電源設計が必要になります。

・火災の心配がない?
油を使った調理には注意は必要です。
また200Vを使用した高電圧・高容量の機器なので、施工時のミスで火災が発生した事例もあります。

・停電したら使えない
調理は出来なくなります。お湯はタンクに貯まっている分は使えますが、お風呂の自動湯はりは使用できなくなります。エアコンでの冷暖房もできなくなります。
しかし灯油を使用したボイラーや、ガス給湯器も着火に電気が必要なので停電すると使用できなくなります。

・衛生面の心配
温水器やエコキュートはタンクに水を貯めて使用するので、湯切れを心配して毎日使用する容量以上の大きなサイズのタンクを選ぶと水が余ってしまいます。この水をまた次の日にも使うので飲用には向きません。また旅行などでしばらく使用しなかった場合はタンクの水を入れ替えした方がいいです。

・IHクッキングヒーターの慣れ
火が出ないので火加減や調理方法に慣れを要します。ボタン操作が多いので高齢の方は慣れるのに時間がかかるようです。また使用できる鍋に制限ができるので、今まで使用していたものが使えなくなることもあります。

・健康問題
エコキュートの設置場所や設置方法によって騒音の問題が発生します。
エコキュートの騒音対策。
IHクッキングヒーターから発生する電磁波が人体に無害だという確証がまだありません。



<オール電化のデメリットに対する対策>
オール電化にする最大のメリットはやはり光熱費の削減にあります。
洗濯や食器洗い機などはタイマーを利用し安い深夜電力を使用して、割高な昼間の時間帯はなるべく節電するなどの方法で上手に節電を心がけるだけで電気代は削減できます。

初期投資に関しては、新築時の打ち合わせの段階でオール電化を希望することで後から変更するよりコストを抑えることができます。

衛生面では家族構成や使用容量などから無駄のない容量のタンクを選ぶことで、毎日新しい水が使用できます。 エコキュートを上手に選ぶ5つのポイント!

IHクッキングヒーターは慣れれば各調理方法に合わせて火加減や時間を調整してくれるものもあるのでとても便利です。高齢の方には、IHの横などに簡単な操作方法を書いたメモなどを貼っておくといいでしょう。

健康問題についてですが、エコキュートなどは新築時なら設置場所や設置方法を打ち合わせの上、最適な場所に施工してください。
IHに関してはIH自体が健康を害すると特定できていないのですが、日本電機工業会さんの資料を参考にすると心配することはないかなと感じます。


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