新築でお家を建てる時に気にしてほしいのが「分岐回路数」です。
新しいお家に入居後に、頻繁にブレーカが落ちてしまうなんて事にならないように、しっかりと計画しましょう。

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<分岐回路数の決め方>
分電盤の分岐回路数は照明やお部屋のコンセントなどの「標準負荷分岐数」と、エアコンや電子レンジなどの消費電力が高い専用回路が必要な「専用負荷分岐数」を合計します。

分岐回路数 = 標準負荷分岐数 + 専用負荷分岐数

・標準負荷分岐数の求め方

標準負荷分岐数は通常、照明回路とコンセント回路に分かれます。また世帯人数やお家の広さによっても異なります。キッチンは消費電力の高い家電製品(炊飯器・ポットなど)が多いのであらかじめ必要な回路を確保しておきます。下図は標準負荷分岐数を世帯人数とお家の広さによって算出したものをまとめています。
分電盤標準負荷
二世帯住宅などで、キッチンも2か所ある場合は一般コンセント(キッチン用)の回路数を増やしてください。

・専用負荷分岐数の求め方
専用負荷分岐数はその名の通り、分電盤から使用する場所まで専用のコンセント(電源)の数のことです。どんなもがあるかはこちらでご確認ください。→新築住宅の電気配線。~専用コンセント編~。エアコン回路は部屋の数だけ必要になりますし、オール電化であればIHやエコキュートの回路も必要です。洗濯乾燥機やトイレのウォシュレットなども専用回路が好ましいです。使う予定の家電製品なども考慮して必要な専用回路を算出してください。

参考として分岐回路数は、一般世帯(夫婦+子供2人)・40坪のお家で22回路ほど必要になります。



<主幹容量の決め方>
主幹容量とはお家全体の電気の容量のことをいい、分電盤の左側にある一番大きなブレーカです。(注※ 電力会社の「契約ブレーカ」ではありません) 通常は漏電時に作動する漏電ブレーカの役割も兼ねています。主幹容量は、電気の使い方=「需要率」を考えて決定します。

・主幹容量の設定式(JIS準拠)
主幹容量(A) = 分岐回路数 × 13.3A(分岐容量) × 0.3~0.5(需要率) × 0.5(定数)

分電盤主幹容量
注意点として、関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力管内では契約ブレーカー(電流制限器)を設置しませんが、その他の電力会社は電力会社が支給する契約ブレーカーが設置されます。契約ブレーカーとは、電力会社と需要家の間で契約された最大電力を超えると自動で電気を止めることを目的としたブレーカーで、一般の漏電ブレーカや安全ブレーカーとは全く違うものです。主幹容量を大きくしていても、契約ブレーカーの容量を超えると契約ブレーカーが遮断します。

契約ブレーカーは契約容量を管理する目的なので、保安目的である漏電ブレーカーや安全ブレーカーとは動作特性も全く異なります。

例えば単相三線式50Aの場合
・契約ブレーカー
100V負荷のみで各相(L1-N,L2-N)の合計が50Aを超えると遮断。
200V負荷(L1-L2)のみで25Aを超えると遮断。
200V負荷が常時5Aのとき、100V負荷が各相の合計が40Aを超えると遮断。
100V換算で50Aの場合、負荷合計5kVAで遮断します。

・安全ブレーカー
各相のいずれかが50Aを超えないと遮断しません。


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